目標はすべてのアプリケーションにおける安全、そして、有資格の訓練された水素生産のプロから訓練を受けていない補給ステーションの消費者まで、あらゆるスキルレベルの人々にとっての安全を保証することです。
「機能安全」は安全が制御システムの正常な機能に依存する場合に用いる用語です。水素を安全に利用して損害や事故を予防するには、検出技術と安全制御技術の連携が重要な役割を果たします。
水素関連アプリケーションには、電解装置や蒸気改質装置を用いた水素の生産から、水素補給ステーションなどでの水素の取り扱い、燃料電池やエンジン、バーナー産業などでの水素の消費までが含まれます。
水素産業におけるアプリケーション
水素のバリューチェーン全体の市場拡大は、すべての関係者にとって重要な課題です。水素生産や水素補給ステーション、水素の消費といったアプリケーションに関わる企業にとって、たとえば機械安全の分野からの、業界で実証済みの原理の活用および移転は付加価値の創出につながります。
水素アプリケーションの機能安全
水素アプリケーションの産業サイバーセキュリティ
産業サイバーセキュリティとは、生産設備と産業設備を意図的な不正操作や、意図しない操作ミスから守ることです。そのために、生産・産業設備におけるファクトリーオートメーション (FA) やプロセス制御に関わる制御ネットワークのセキュリティ対策を行います。
水素関連の例として、水素生産システムの状態チェックを目的とする、システムへのリモートアクセスが挙げられます。システムの安全関連部の制御あるいは変更操作をリモートで可能にする場合、そのリモート接続は即保護しなくてはなりません。保護しなければ、何者かが許可なくシステムに変更を加えて、危険な状態を作り出す危険があります。
Identification and Access Management (I.A.M.) は、データと従業員を同じように高いレベルで保護します。ユーザ認証からデータとネットワークのセキュリティまで – いつでも当社にご相談ください!
電解法
水素電解装置については、ISO 22734: 2025規格「水電解を用いる水素発生器」の「第1部: 安全性」が、安全面における基準文書となります。この規格には、すべての部品と材料の安全要件と、関連する試験法が記述されています。
電解装置の安全機能:
- 非常停止
- 電圧監視
- 電流監視
- 漏れ検知
- ガス検知
- 火炎/火災警報
換気や当該区域への立入防止などの適切な安全措置を開始するには、ガスや炎を検出することが必須となります。
定電流源がないと、さらなる安全上の問題 (クロスオーバー現象) が発生する可能性もあります。ですから、電気部品 (電圧または電流) の故障は爆発のリスクを引き起こすことがあります。
ISO 22734規格は2025年に改訂され、電解装置の安全な設計と運用に関する技術要件を明確に示すとともに、産業分野での安全な水素システムの標準化に寄与しています。
電解装置 – 安全でセキュア
電気分解による水素製造は、エネルギー転換を支える重要なプロセスです。一方で、電解装置の運用や製造には、高度な安全性、複雑な設備構成、高い可用性の維持といった課題が伴います。こうした課題に的確に応えるのが、ピルツのカスタマイズソリューションです。ピルツは、電解装置の運用を確実に監視・保護する安全制御システムを提供しています。これらの安全コンセプトにより、リスクを最小限に抑えつつ、国際規格への適合を実現します。
燃料電池・電解装置用テストベンチ向けの安全ソリューション
燃料電池と電解装置は、水素エコノミーの実現に欠かせない重要な技術です。性能や安全性、信頼性を確保するためには、高度な試験のソリューションが欠かせません。燃料電池や電解装置の試験では、高い精度と妥協のない安全性が求められます。ピルツは、燃料電池・水素用テストベンチに組み込むことができる安全コントローラを提供しています。これにより、厳格な安全規制への適合と安全で効率的な運用の両立が可能となります。ピルツの安全ソリューションは、PEMやSOFC、アルカリ型など、幅広い技術に対応しています。
高度な安全機能
- 電圧監視
- 圧力と温度の監視
- ガス漏れ・水素漏れ検知
- 気密性試験
- 非常停止
- 安全スイッチを用いた扉のインターロック
- 緊急ベント
その他多数の機能
主な特長は、モジュラ式のハードウェアアーキテクチャと、ドラッグアンドドロップ操作で安全ロジックを作成し、規格への適合を確保できるソフトウェアツールです。柔軟なプラットフォームにより、開発期間を短縮できるほか、燃料電池試験ステーションやテストベンチ、テストフィールド、試験設備にシームレスに組み込むことができます。
水素補給ステーション
水素補給ステーション (HRS) の設置と運用は地方当局により承認され、国や地域の法規の監督下で行われます。ISO 19880-1:2020規格「ガス状水素 - 燃料補給ステーション - パート1:一般要件」では、補給ステーションの安全を保証する手法が記述され、火災や爆発のリスクを軽減するための対策が求められています。ステーション全体の総合的リスクアセスメントは必須の要求事項です。
水素補給ステーション (HRS) はコンプレッサ、弁、パイプ、蓄圧器などの高圧部品で構成されています。そのほかに冷却システムや水素供給部分があり、たとえば補給用のディスペンサは圧力が350~700バール、ディスペンサで供給するガスの温度は-40℃ (233.15ケルビン) の低温になります。
水素補給ステーションの安全機能:
- 非常停止
- 漏れ検知
- ガス検知
- 火炎/火災警報
- 圧力監視、勾配監視
- 温度監視、勾配監視
蒸気改質法
ISO 16110-1:2007規格「燃料処理技術を使用した水素発生器 - パート1:安全性」には、化石燃料からの蒸気改質法などによる水素生産の安全性に関連した、あらゆる重要な危険源 (EMC、電気的側面、高圧関連、爆発防止など) の説明があります。
蒸気改質法は、現在、水と炭素系のエネルギー担体から水素を製造する最も重要な方法です。天然ガスは、現在、最も重要な原料ですが、メタノール、バイオガス、バイオマスも出発原料として使用できます。このプロセスは高温に熱するため、ガスバーナーを使用します。
安全機能:
- 非常停止
- 燃焼制御
- 漏れ検知
- ガス検知
- 火炎/火災警報
- 圧力監視
- 温度監視
安全コントロールシステムPNOZmulti 2/PSS 4000はバーナー管理システムの制御に加え、プロセスの安全監視も行えます。たとえば温度と高圧を安全に監視・制御して、ハザードにつながりかねない予想外の状況を回避できます。
水素の燃焼 – H2対応(バーナー産業)
100%水素や天然ガスと水素のような気体炭化水素燃料の混合物をガスバーナーの燃料として用いる場合には、ガス燃料バーナーに関する既存の規格が適用されます。
たとえば次のような規格が適用されます:
- EN 298
- IEC/UL 60730-2-5 燃焼制御
- EN 676 ガスバーナー
- ISO 13577 工業炉 (ガス燃料領域)
これらの規格は、ガス燃料、液体燃料、固体燃料を区別していますが、ガス燃料グループ内でのガスの種類に基づく区別はありません。したがって、水素や燃焼制御にもこの既存の規格が適用されます。
PNOZmulti 2バーナー管理システムは、水素や気体炭化水素燃料の混合物の燃焼への使用に100%対応します。