ISO 22734-1:2025「水電解を用いる水素発生器」、「第1部:安全性」
2025/09/24
ISO 22734-1:安全性に関する重要な変更点(2019年版と2025年版の比較)
ISO 22734規格は、水を電気化学反応によって水素と酸素に分解する水素発生装置、すなわち電解装置に対する要件を定めています。本規格は産業用から商業用、家庭用まで幅広い用途に適用され、水素をエネルギー担体として安全かつ持続的に活用するための基盤となります。
2025年改訂版では、水素技術の安全性と技術発展をより包括的に捉える視点から、大きな革新と改良が加えられています。対象となるのは、産業分野や商業分野で水素を扱う開発者や事業者、安全管理者です。2019年版から改訂された安全面での重要な変更点は、以下のとおりです。
1.安全要件の枠組み
安全要件は、2019年版の4.5項で示されていた制御技術中心の内容から、2025年版の4.2項に見られる包括的なリスクマネジメント重視のアプローチへと変わりました。新たに盛り込まれた考慮点は次のとおりです。
- 部品における残留電圧と残留電荷
- 酸素の流量
- 水素や酸素の配管内にたまる余分な水分
2. ガスのクロスオーバー
今回の改訂では初めて、水素と酸素が仕切りを越えて流入するクロスオーバー現象によって、爆発性混合物を生じるリスクが扱われています。新たに盛り込まれた要件は次のとおりです。
- セルスタック内の水素側と酸素側の圧力差を監視すること
- 運転に必要な最小条件(電流、温度、圧力)の明確化
- 新しい附属書Cに盛り込まれた技術ガイドライン
3.機能安全
機能安全規格を適用する際の選択肢が拡充されています。
- IEC 61508とIEC 61511(従来どおり)
- IEC 62061とISO 13849(新たに追加)。多様な産業安全コンセプトに合わせて、より精密なカスタマイズが可能になります。
4.サイバーセキュリティ
2025年改訂版では、サイバーセキュリティへの対応が初めて義務付けられました。
- リモート制御可能なシステムは、ISO/IEC 27001への準拠が必須条件となります。
- 製造業者には、製品のライフサイクル全体を通じ、不正アクセスや脆弱性への対策を講じることが求められます。
結論:
ISO 22734-1:2025は、安全とシステムの完全性を総合的に高めるための大きな一歩となります。最新の電解装置の開発や運用に向けた技術的指針を明確に示し、安全な水素経済を支える基盤をより強固なものにします。
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