オランダの放射性廃棄物処理会社COVRAでは、放射性廃棄物の取り扱いにおいて、安全性を最優先事項としています。そのためにも、同社は、高度に自動化された圧縮・移送システムの安全対策強化を検討していました。放射性廃棄物を格納した円筒形ドラム缶は、ローラーコンベアで設備内を移動し、遮蔽壁で取り囲まれたセル内で圧縮されて平型のブロックになります。これらのブロックは、200リットル容量の円筒形ドラム缶内に積み重ねられた状態で、保管用のコンクリート容器に封入されます。たとえ設備が停止した場合でも、ブロックの登録に必要なデータ通信が中断される事態は避けなければなりません。そのため、オフィスオートメーションやローラーコンベアの全体制御を担う既存のシステムにピルツの安全ソリューションが統合されました。包括的なI.A.M.(Identification and Access Management)システムにより、安全とセキュリティが強化されています。
核廃棄物の安全な取り扱い
安全とセキュリティによる中断の回避
I.A.M.システムが危険なプロセスを保護
安全性の強化を図るため、ピルツは3ヵ所の安全ゾーンを設定しました。入口ゾーン、圧縮セル、出口ゾーンはそれぞれ安全柵と安全扉で保護されています。各アクセスポイントはI.A.M.システムで保護されており、ゾーンへの立ち入りを希望する従業員はアクセス許可システム「PITreaderカードユニット」で個人用アクセスカードによる認証を行います。また、COVRA社はデジタルメンテナンス保護システム「Key-in-pocket」を採用しているため、メンテナンス中に許可を得ていない従業員がアプリケーションにアクセスすることはありません。メンテナンス作業の終了後、従業員は別のドアから安全ゾーンを退出し、そこでサインアウトすることもできます。さらに、放射性廃棄物を格納したドラム缶の積み下ろしエリアも安全ライトカーテンPSENopt により保護されています。ローラーコンベアは、フォークリフトが光線を遮断すると自動で運転を停止し、フォークリフトが保護フィールドを離れると自動で運転を再開します。このように、わかりやすい安全コンセプトに基づいて、各種ゾーンが不正操作や不正アクセスから保護されています。
利点
- メンテナンス保護システムKey-in-pocket:機械式キーに代わるデジタルソリューションにより、プロセスが簡素化されます。
- 安全機能の持続可能な統合:既存の配線の多くが引き続き使用されます。
- 既存の包括的ソリューションに安全コントローラPSS 4000がシームレスに統合されます。
お客様の声
当社では、リスク分析を実施した上で、数多くのサプライヤの中からピルツ社を選定しました。その際に決め手となったのは、同社が機械式の柵、ライトカーテン、そして安全コントローラをトータルパッケージとして提供できる点でした。そして、同社により今回のトータルソリューションが設計され、実装されたのです。
COVRA社について
COVRA(Central Organisation for Radioactive Waste:放射性廃棄物中央管理機構)社は、オランダ国内で唯一、放射性廃棄物の収集、処理、保管を許可されている企業です。病院、研究所、原子力発電所などの施設は、現場で発生した放射性廃棄物の処理をCOVRA社に委ねる義務があります。そのためCOVRA社は、フリッシンゲン・オースト港湾区域の自社敷地内に保管・処理設備を保持しています。